穏やかに生きたい。穏やかは退屈だ。
中学の頃、教室に相田みつをのカレンダーが飾ってあった。
相田みつをに興味はなかったが、一つだけ覚えている言葉がある。
「ひとりになりたい。ひとりはさびしい。」
この矛盾が好きなのだ。
人間って矛盾を抱えた生き物だ。
痩せたいといいながらものを食べるし、やっぱり食べないでおこうとするときもある。
まったく、合理的じゃない。
だから人間は面白い、と思う。
ずっと、生きるのがしんどかった。
人の目を気にしすぎていたし、努力はできないし、
エゴイストだし、ちょっといつも孤独だし、
怒られたり嫌なことがあったらすぐ泣いちゃうし。
だから必死で生きやすくなる方法を探した。
最初はずっとインターネットをして、インターネットに有益な情報があんまりないのはすぐ気づいたから、本をたくさん読んだ。
この世の仕組みとか、人間の仕組みとか、全く何も分かっていなかったことが少しだけわかるようになって、ちょっと生きやすくなった。
けれどこれまで積み重ねてきた自分の価値観や気質は頑固で、
頭では分かっていても結局辛いことに対応できなくて、
仕事で追い詰められた。
25歳になった今、仕事をやめて、楽になって、
なおざりになっていた暮らしもどんどん立て直してきてる。
ふと、恋愛で悩みに悩んで、周りの人を困らせた高校時代や、
未熟すぎて何一つ成し遂げられなかった大学時代を振り返って、
楽しかったな、と思う。
渦中にいるときは辛くて、今すぐ抜け出したいなんて思っているけれど、
いざ穏やかになったら、途端に退屈な気がしてくる。
生きやすくなって、その先に何があるのだ。なんて酷いことを思う。
あんなに苦しんでたのに。
生きづらくても生きやすくても、その先には何もないのに。
ほんと、バカだなあって思う。